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炎症性腸疾患と不安・うつの関連


原因がはっきりせず、小腸や大腸に炎症を繰り返す疾患を総称して炎症性腸疾患(Inflammatory Bowel Disease:IBD)といいます。

治療の決め手がなく、長期に渡って腹痛や不快感、下痢等の症状が続くため、日常生活に大きな影響を与えます。

具体的には「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」が代表的で、潰瘍性大腸炎が直腸から大腸に炎症が限局し、表層の病変が起こり易いのに対して、クローン病は小腸から大腸にわたって広範囲に病変が散在し、深層に病変が進行しやすい特徴を持っています。

精神面でも影響が大きいと言われており、精神状態との相互作用が注目されている疾患です。

今回は、炎症性腸疾患に実際どれくらい臨床的な不安・うつが合併しているのかを調べた研究をご紹介します。

炎症性腸疾患における不安とうつの有病率

327人の炎症性腸疾患と診断された患者さんについて調査されました。

うつや不安については一般的に頻用される指標(Patient Health Questionnaire-9 、Generalized Anxiety Disorder-7)が用いられました。

結果として、炎症性腸疾患の患者さんのうち、30.3%の方が不安とうつの両方で苦しんでおり、その精神症状は炎症性腸疾患の病状とも関連していることが示されました。

精神疾患から身体疾患へ、身体疾患から精神疾患へ、相互に影響し合う病態について理解を深めながら治療に臨みたいと思いました。

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