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定期的な運動は認知症の進行を遅らせる


以前に有酸素運動を定期的に行うと認知症の発症リスクを低下させることについてお伝えしました。

なかなか取り組みが難しいところですが、座っている時間を減らし、定期的な運動を取り入れることは、身体疾患や認知能力低下に対して予防的に作用するようです。

今回は、健忘を中心とした軽度の認知障害が始まった後でも、定期的な運動の効果があるのか調べた研究をご紹介します。

軽度認知障害に対する運動療法の効果

研究には健忘を主な症状とする軽度認知障害の70人(平均65歳、6割が女性)が参加しました。

参加者は定期的な有酸素運動(週に3回、約30分)を行うグループとストレッチ(頻度や時間は有酸素運動と同じ)を行うグループに振り分けられました。

結果として、1年の経過を見たところ、有酸素運動のグループの方が、ストレッチのグループよりもMRIの画像上で海馬の萎縮が軽度になっており、PETと言われる脳の働きを表す画像で、代謝活性が高い状態になっていました。

神経心理学的な検査では、両方のグループで結果が向上しており、また、脱落率も多い研究で、実際の認知症の経過にどのように影響するのか、結果の解釈は慎重に行いたいところです。

しかし、定期的な有酸素運動(1日30分以上、週3~5回が推奨)を行うことは何らかのかたちで認知症の進行に抑制的に働く可能性が高く、身体疾患への予防効果を考えても、患者さんに進めて良い療養方針であると思われました。

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