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非アルコール性脂肪肝とうつ病との関連


肥満や糖尿病、炎症性疾患等はうつ病との合併が多く認められます。その介在するしくみに関してはうつによる活動性の低下等が想定されているものの、必ずしも明らかではありません。

今回は、非アルコール性脂肪肝がうつ病の発症に関連しているかについて調べた研究をご紹介します。

うつ病は非アルコール性脂肪肝と関連している

アメリカ合衆国における研究で484人の成人(平均47歳)が対象となりました。脂肪肝の有無、うつ病の有病率、うつ病による機能低下の程度、肝臓の線維化等の状態が調べられました。

結果として、うつ病の有病率とうつ症状による機能低下は脂肪肝がある場合の方が明らかに多くなっており、さらにうつ病がある場合は1.6~2.2倍脂肪肝になりやすいことが示されました。

そして、これらの関連は肥満や糖尿病、高脂血症等の他の状態で調整すると軽減していましたが、それでも依然として差異は明らかで、脂肪肝とうつ病とは他の要素の介在しない独立な関連である可能性が考えられました。

様々な身体的疾患が気分の落ち込みの基礎となりうることが指摘されていますが、今後、血液データや腹部エコーの結果をみるときには非アルコール性脂肪肝とうつ病との関連にも注意が必要であると考えられました。

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