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体位性頻脈症候群の心理的背景について


集会や式典等で、立っているのが長くなると急に倒れてしまったりする人がいますが、長い間立っているとドキドキしたり、意識が遠くなったりする状態について、“体位性頻脈症候群(postural tachycardia syndrome)”と診断されることがあります。


今回は、体位性頻脈症候群について、その心理的背景を調べた論文をご紹介します。


体位性頻脈症候群の原因となる仕組みとしての恐怖条件づけ


体位性頻脈症候群がある28人(平均31歳、25人が女性)と比較対照としての健常者21人が参加しました。


結果として、以下の内容が示されました。


・体位性頻脈症候群がある場合は身体感覚に対する過剰な意識(somatic vigilance)や不安の程度の平均が健常者よりも高くなっていました。


・体位性頻脈症候群のある場合には、テーブルに横臥した状態からテーブルを起こしていく“傾斜テーブルテスト”で、テーブルを起こす前から、立位に対する“恐怖条件づけ”を示す予期的な頻脈を認めていました。


・体位性頻脈症候群がある場合、立位の間、頻脈とカテコラミンの高濃度、呼気終末二酸化炭素分圧の低下、脳血流速度の低下を認めていました。

要約: 『体位性頻脈症候群では実際に立位になる前から、恐怖を感じる条件としてのり対に対する身体的反応を認める』


ある条件に対して、恐怖感を感じるような刺激を一緒に与えると、元来無害であった条件に対して恐怖を認めるようになり、これを“恐怖条件づけ”と言いますが、体位性頻脈症候群においては、恐怖条件づけが一定の役割を果たしているようです。




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