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症状どうしの繋がりから統合失調症の症状の重要性を分析してみた結果


統合失調症の症状について、非常に大まかにいうと、妄想や幻覚などの比較的目立ちやすい症状(陽性症状)と、失快楽や無為自閉、感情鈍麻などの目立ちにくい症状(陰性症状)に分けられます。


今回は、統合失調症の様々な症状の繋がりを分析して、どの症状の影響が大きいのか調べた研究をご紹介します。


Understanding Connections and Boundaries Between Positive Symptoms, Negative Symptoms, and Role Functioning Among Individuals With Schizophrenia

A Network Psychometric Approach

統合失調症における陽性症状、陰性症状、役割機能の繋がりと境界を理解する


統合失調症に罹患した(現在は症状が安定している)外来患者979人(平均46歳、67.7%が男性)が研究の対象となりました。


症状どうしの繋がり、影響の与え方を調べるネットワーク研究(Network Psychometric Approach)を行いました。


結果として、以下の内容が示されました。

・症状のネットワークの中で、anhedonia(失快楽)が最も中心的な役割を果たしており、陽性・陰性症状、遂行機能の領域に大きな影響を与えていました。

・avolition(無欲)も影響が大きく、特に労働に関する遂行機能では深い関連を持っていました。

・妄想や幻覚等の陽性症状は、症状全体のネットワークに大きな影響を与えていませんでした。


要約:『長期的な適応において統合失調症の症状うち、大きな影響力を持つのは失快楽や無欲である』


研究対象が安定している外来患者であることで、陽性症状の影響力が小さくなったものと思われます。長期的な適応の視点で考えると行動の動機の欠如による影響が大きいのかもしれないと考えました。


もりさわメンタルクリニック:https://www.morisawa-mental-clinic.com/

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