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自閉症スペクトラム障害で便秘が多いのはなぜ?

更新日:2022年7月17日


発達障害で腹痛や下痢・便秘等の消化管症状を経験される方が多いことが知られています。


特に便秘は広く認められる症状ですが、その仕組みに関しては良く分かっていません。


今回は、自閉症スペクトラム障害で特に多い便秘に関してどのような仕組みで起こるのかを調べた研究をご紹介します。


自閉症スペクトラム障害におけるサイントカイン、内分泌系ストレス反応と消化器症状の関連


自閉症スペクトラム障害の診断を受けている子ども120人(平均11.8歳、108人が男児)が調査の対象となりました。


結果として、以下のことが示されました。

①51人が消化器症状があり、69人はありませんでした。消化器症状の最も多かったのが便秘(42.5%)で、次が過敏性腸症候群(11.7%)、上腹部痛/下腹部痛(9.2%/7.5%)でした。

②便秘に関して、自閉症スペクトラム障害ではストレスが生じたときのコルチゾール(ストレスに対して分泌されることで知られているホルモン)活性が高くなっていました。特に退行型と言われる、一度発達した機能が低下するタイプの自閉症スペクトラム障害でこの傾向は顕著でした。

③今までに指摘されていたサイトカイン(TNF-α、IL-6等)の関与は明らかではありませんでした。これらの分泌は苛立ちや社会性、知能との関連がありました。


つまり、自閉症スペクトラム障害ではストレスに対するコルチゾールの活性が通常よりも高く、この反応が強いほど、便秘の傾向が強くなると言えそうです。


発達障害では2次障害として精神症状のみではなく、様々な身体症状を伴っており、ストレスへの反応として理解される場合も含めて、注意が必要であると思われました。


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#発達障害 



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