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貧困対策は子どもの脳に良い影響を与える



不適切な養育や逆境体験が子どもの脳に影響を与えることが指摘されてきました。


今回は、経済レベルの低下と貧困対策がどのように子どもの脳に影響を与えるのか、構造的変化の観点から調べた研究をご紹介します。


State-level macro-economic factors moderate the association of low income with brain structure and mental health in U.S. children


アメリカのAdolescent Brain and Cognitive Development (ABCD) studyという研究データが元になっている分析で、9-11歳の10,633人(女性5,115人)を対象としています。


経済的状態と子どもの脳の構造・精神症状(気分の落ち込み等の内在化する症状)との関連について調べています。


結果として、以下の内容が示されました。


・低収入と海馬体積の低下、精神状態の悪化が関連を示していました。


・生活に高いコストが発生する地域で、上記の関連は強くなっていました。


・高コストの地域でも貧困対策が行われている場合では、海馬体積の低下が34%抑制されていました(精神状態に対しても同様の関連を認めました)。


要約:『経済レベルの低下は子どもの脳に構造的変化をもたらす可能性があるが、経済的救済策で軽減できるかもしれない』


様々な付随する要素が考えられる内容ですが、ここで想定されている神経発達や精神疾患の影響を調整した後でも関連は一貫していたようです。


政策上の違いが個人の脳構造に与える影響が認められたという点で、マクロ視点の重要さが確認できる内容でした。



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