
昨日は、オメガ3脂肪酸の摂取がうつ病予防に効果的である可能性についてお伝えしました。
しかし、オメガ3脂肪酸摂取とうつ病予防に関する研究の結果は一致しておらず、今回は以前(2021年)の論文ですが、オメガ3脂肪酸サプリと偽薬との比較でうつ病予防の効果を検証した研究をご紹介します。
Effect of Long-term Supplementation With Marine Omega-3 Fatty Acids vs Placebo on Risk of Depression or Clinically Relevant Depressive Symptoms and on Change in Mood Scores
A Randomized Clinical Trial
海洋性オメガ3脂肪酸の長期間服用と偽薬のうつ病やうつ症状に対する効果比較
VITALと呼ばれる循環器系疾患に関する大規模な研究の補助的な研究で、18,353人(平均67.5歳、49.2%が女性)が対象となりました。
オメガ3脂肪酸のサプリ (1 g/日の魚油、465mgのEPAと375mgのDHAを含む)を毎日摂取し、平均5.3年の観察期間でうつ病の発症やうつ症状への影響を、偽薬との比較で調べました。
結果として、以下の内容が示されました。
・オメガ3脂肪酸を摂取していたグループでわずかにうつ発症が増えていました(リスクの目安であるハザード比1.13倍)。
・うつ症状の簡易な評価尺度であるPHQ-8では、オメガ3脂肪酸と偽薬で差異は認められませんでした。
要約:『オメガ3脂肪酸を摂取しても、少なくともうつ病の予防効果は確認できなかった』
昨日お伝えしたオメガ3脂肪酸についての聞き取り内容を元にした研究よりは、摂取内容のコントロールが可能な研究による結果であり、信頼性は高いと考えられます。
オメガ3脂肪酸は身体的には良いと思われますが、少なくとも(実生活上意味のあるような)大きなうつ病予防効果があるかどうかについては、まだ判断を保留していたほうが良いと思われました。
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#オメガ3脂肪酸
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