気候と精神状態とは密接に関連していることが実感されますが、今回は酷暑との関連について、アメリカの刑務所における研究をご紹介します。
Extreme Heat and Suicide Watch Incidents Among Incarcerated Men
収監中の人々における酷暑と自殺事故の関連
アメリカのルイジアナ刑務所(空調の欠如等、過酷な環境で知られ、訴訟に発展した経緯もある刑務所)を含む複数の刑務所における研究です。
6576日間の収監日数について、温度と自殺事故との関連を調べています。
結果として、以下の内容が示されました。
※華氏(アメリカで採用されている温度の尺度)と摂氏(日本で採用されている温度の尺度)については、華氏60度は摂氏15.6度、華氏90度は摂氏32.2度。
・華氏80~89度では、華氏60~69度に比較して、29%の自殺事故の増加を認めました。
・華氏90~103度では、華氏60~69度に比較して、36%の自殺事故の増加を認めました。
・全体的に“酷暑”の日には、30%の自殺事故のリスク上昇を認めました。
要約:『収監中の厳しい環境において、酷暑の日には、自殺企図が増える可能性がある』
実際の臨床では、天気の悪い日の気分の落ち込みや倦怠感を実感することが多いのですが、暑さによる精神状態の悪化にも注意が必要であると思われました。
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