認知行動療法の届け方

うつ病に対する心理療法として認知行動療法は広く行われていますが、個人的な対面でのやり方以外にも、グループや電話を用いた方法などが知られています。
今回は、このような様々なやり方で認知行動療法を行った場合の効果の差について調べた研究をご紹介させてください。
Effectiveness and Acceptability of Cognitive Behavior Therapy Delivery Formats in Adults With Depression A Network Meta-analysis
うつ病に対する認知行動療法の実施様式間での効果と受容性の違い
15000人程の参加者を含む155の試験が分析の対象となりました。
認知療法の届け方について、①(対面の)個人療法、②グループ・セラピー、③電話、④指導付きセルフヘルプ(自分で自分の治療を行うやり方)が比較されました。
結果として、①~④のいずれやり方も効果に大きな差はないことが分かりました。
しかし、受容性(治療の継続可能性)については個人療法やグループ・セラピーが、セルフ・ヘルプよりも優っていました。
以上の結果から、続けられるならば上記の②~④のいずれのやり方も、個人療法の代替として十分機能することが分かります。
専門的な個人様式の認知行動療法は高価で、実施場所も少ないことを考えると、様式にこだわらずにCBTのエッセンスを得ることが望ましいと思われました。