
うつ・躁うつ・不安障害・PTSD等はそれぞれが合併し、相互に影響し合って病態を形成することが多くみられます。
それでは、実際にどれくらいこれらの症状に共通する神経機能の変化があるのだろうかという疑問に答えようとしたのが、今回ご紹介する研究です。
Shared Neural Phenotypes for Mood and Anxiety Disorders A Meta-analysis of 226 Task-Related Functional Imaging Studies
気分障害と不安障害に共通に認める神経の表現型
多くの論文を参照して、課題を遂行した際に認める画像検査上の変化を226例を集め、分析を行いました。
結果として、うつ・躁うつ・不安障害・PTSDの診断を横断(各診断に共通)するかたちで認める特徴として、「抑制的コントロールを行う部位」と「対比を行いながら感覚の調整を行う部位」の活動低下が認められました。
具体的には、脳の部位のうち、下前頭前皮質、島、下頭頂小葉、被殻における課題遂行中の活性化が健常な対照群と比較して低下していました。
これらの活動性の低下が共通してみられる領域に注目することによって、不安の強いうつ病等により有効な治療が検討できる可能性が考えられました。