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『こころが晴れるノート』 大野裕著


まず、認知行動療法について、この本の説明を抜粋させてください。

「私たちは、現実をそのまま客観的に見ているわけではありません。自分独自の受け取り方や考え方の影響を受けながら、自分なりの思い入れの世界を作り上げて生活しています。

『認知』というのは、この現実の受け取り方やものの見方のことで、その『認知』に働きかけて心理的なストレスを軽くしていく治療法を『認知療法』と言います。」

※正確には「認知行動療法」と「認知療法」は異なりますが、最近は認知療法と行動療法を結び付けて実施することも多く、「認知行動療法」という呼び方も定着しています。

私自身は認知療法を専門としているわけではなく、対話をするときにも中心の様式として採用しているわけではありません。

しかし、この治療法に限らず、何らかのかたちで、自分の認知や考え・こだわり・信念等について客観的に眺める習慣は、非常に救いになることが多いです。

感情に飲み込まれることで、普段のように考えられなくなり、いつもはできていたことができなくなります。それが続くことで日常生活の支障が表れ、負の循環が起こり、病的なうつの状態に陥ることもあります。よって、特にうつの時には、自分の考えに自覚的になって、考え方の傾向から少し抜け出ることが勧められます。

その方法の一つとして認知療法は今最も一般的な心理療法であり、自分の考えや行動を見つめるきっかけを与えてくれると思います。

この本の副題に「うつと不安の認知療法自習帳」とあり、自分で認知療法ができるように一歩一歩、やり方を教えてくれる本です。

認知療法の本は非常にたくさんありますが、うつや不安の対処として自分で療法をしたいという人にはこの本をすすめています。

認知療法の考えを含めて体系的に学びたいという方には、別の本が向いていると思いますが、とにかく実践したいという方にはとても目的に適った本と言えます。

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